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22May
2025 教科

3年選択〈美文字〉報告  手書き文字の魅力に触れよう

Topics3年選択〈美文字〉報告  手書き文字の魅力に触れよう

2025年度の選択授業「美文字」は、10人の生徒で学びます。
1年間を通して、ふさわしい文字を書くこと、文字の文化を楽しむことを経験していきます。
毛筆の練習だけではなく、フォントやインク、活版印刷など幅広い視野から文字の魅力に気づき、
新しい文字の文化を創造することも目標にしています。

今週の授業では、「くせ字愛好家」として知られる井原奈津子先生をお招きし、ワークショップを実施しました。
井原先生は、『美しい日本のくせ字』や『字はうつくしい(たくさんのふしぎ 2023年2月号)』などの著書を通じて、
手書き文字やくせ字の魅力を幅広く紹介されています。
手書き文字の奥深さや味わいを体感できるワークショップを開催してくださいました。

ワークショップでは、まず井原先生がこれまでに出会った多様な手書き文字を紹介していただきました。
個性的な手書き文字の数々を通して、それぞれの手書き文字にみられる個性に触れました。
手書き文字の特徴は「くせ」と考えると、よくないイメージがあるかもしれません。
しかし、手書き文字の「個性」と捉えると、その個性を楽しむことができます。

続いて、生徒たちは自分たちで集めてきた手書き文字を持ち寄り、交流を行いました。
部活動の先輩や塾の先生からの手紙、友人のノート、好きな芸能人の直筆メッセージなど、
身近にある手書き文字を事前に集めてきたものです。

文字のかたちや雰囲気から書き手の性格や個性を想像し、その文字を見たときの印象や感じたことをお互いに伝え合いました。

その後は、手書き文字にまつわるクイズに挑戦しました。
たとえば、「この3つの文字のうち、令和時代に書かれたのはどれでしょう?(残りの2つは平安時代と江戸時代のもの)」といった問題です。
さらに、担任の先生方が書いた文字を見比べて、「どの文字がどの先生のものか」を予想するクイズも行いました。
生徒たちは文字のかたちや筆づかいの違いに着目しながら、それぞれの文字の書き手を推理していました。

最後に、チャレンジワークとして〈「ブームになった手書き文字」を書いてみよう〉に取り組みました。
くせ字を歴史的な視点でみると、80年代は「丸文字」、90年代は「長体ヘタうま文字」、2000年代は「ギャル文字」とブームがありました。
それぞれの「くせ字」の特徴を捉えながら練習し、自分の名前を「くせ字」で書いてみました。
普段は「美文字」を意識して文字を書く練習していますが、今回はあえて「くせ字」で書きました。
これまで書いたことがなかったのに「ギャル文字」が抜群に上手な生徒もいました。

整った美しい文字を書く力は日常生活でも大いに役立ちますが、くせ字にもまた、その人らしさが表れる魅力があります。
今回のワークショップは、そんな“くせ字”の個性とおもしろさに気づくことができる貴重な機会となりました。
井原先生、ありがとうございました。