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17Mar
2016 教科

「数学の魅力5~女子中高生のために~」参加報告

Topics「数学の魅力5~女子中高生のために~」参加報告

3月13日(日) 東京大学駒場キャンパス数理科学研究科棟 大講義室にて「数学の魅力5~女子中高生のために~」が開催されました。この「数学の魅力」は2012年より行われている講演会で、今年で5回目になります。中等部数学科では昨年よりこの講演会に参加しております。
数学系の選択授業「暗号」「論理」「統計(データマイニング)」「ゲーム理論」を受講している生徒や自発的に参加を申し込んでいた生徒など合計12名の中等部3年生が普段の授業とは異なる環境で数学の魅力に触れることができました。

講演者は女性の先生方が主で(講演内容は以下)、女性研究者の視点から「大学で数学を専攻する魅力」「数学者になるまでと数学者としての日々」「研究と家庭・育児の両立」「女性に数学を薦める理由」など、普段お聞きすることができない話題に、生徒たちは貴重な時間を得ることができたと思います。
さらに「数学ができることはそれだけで強い個性・才能である」「男女に数学的差は無い」など数学を志す女子中高生に向けての熱いメッセージをいただいてきました。

特に今年度は「数学好き中高生のハローワーク」という講演も追加され、東京大学大学院数理科学研究科数理キャリア支援室キャリアアドバイザーの方から数学専攻の学生がこの10年間でさらに企業に必要とされる存在になったことをお聞きしました。
2015年に野村総合研究所が開催した「NRI未来創発フォーラム2015 2030年の日本をデザインする」では2030年はトライリンガルの時代であるという発言がされています。将来、日本の子どもたちが習得することが必要となるであろう2030年のトライリンガルとは「日本語・英語・計算言語」であり、計算言語とはコンピュータと自在にやりとりする数学的な言葉のことを意味します。理系・文系という枠に縛られず数学的思考と素養がこれからの学生に必要とされることでしょう。中等部数学科の選択科目が、どの講座もこれからの社会に必要とされる数学の研究業務を紹介している点において大変意義深く、これからも生徒たちに数学の魅力を伝えていければと考えます。
さらに中等部の女子生徒の中から、数学に興味を持つ人が増えることを期待しています。来年も機会があれば生徒達と参加したいと思います。

講演内容
1.東京大学大学院数理科学研究科長 坪井俊 教授のご挨拶
2.城西大学理学部数学科 中村(萩原)俊子 准教授
  数学で読み解く「かたちとリズム」
3.三菱UFJファイナンシャルグループ
  東京大学大学院数理科学研究科 長山いづみ 客員教授
  「銀行における確率論の応用-安心してください、ちゃんと世の役に立ってますよ-」
4.東京大学大学院数理科学研究科 牛腸 徹 助教
  「『行列』ってなに?おもしろいの?」
5.東京大学大学院数理科学研究科数理キャリア支援室 池川隆司キャリアアドバイザー
  「数学好き中高生のハローワーク・数学者の卵の明るい未来」
6.質疑応答