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オーストラリアで得たもの

オーストラリアで得たもの

3年女子

オーストラリア・ホームステイ・プログラム

初めてオーストラリアに行く実感が湧いたのは、自分宛ての英語のメール。それでも、何とかなるような、すごく軽い気持ちだった。
だが、飛行機に乗ってからどんどん不安になっていった。

初めての英語だけの環境。
仲良くできるだろうか。
自分の英語は通じるのだろうか。

ずっと楽しみに思っていたのに、バディと会うのが少し恐かった。
ドキドキしながら待っていると、バディ、バディの妹とお母さんが来た。あんなに緊張していたのがうそみたいに、んどん英語が出てくる。
「通じた!」
会話が成り立っていくにつれ、自信と期待が戻ってきた。
1日目はそのまま海へ。海沿いに並ぶたくさんのお店、遠くに見えるイルカ…、いろいろな物に目を奪われてしまう。そんな中で一緒にアイスを食べながら笑っているバディは、日本でも見るような違和感のない存在だった。
言葉が違うというだけで、特別で自分とはまったく別のような、遠くに感じていた彼女だったが、甘い物が好きな普通の女の子、一人の友達、そんな身近な一人となっていた。
日曜日には動物園に行き、3日目からは学校が始まった。
2日間を無事に過ごし、ある程度自信がついていた。しかし、モーニングティータイムに一緒に食べていたバディの友達同士の会話を聞いていると、所どころわかる単語はでてきても、早くてほとんど理解できなかった。自分に対して、バディがいかにゆっくり、簡単な言葉で話してくれていたかが改めてよくわかった。
家に帰ると、もっと会話に入りたくて、もっと自分を伝えたくて、新しく出てきた単語と使いたかった単語を復習した。
水曜日、木曜日のファームステイ。逆に日本語ばかりで変な気がした。乗馬や、日本とはまったく違った夜空、そこにもたくさんの新しい経験があった。
気付けば最後の週末だった。テニスやお菓子作り、釣り、買い物…。私が好きな事をすべてしてくれた。一つひとつがすごく楽しくて、あっという間に時間は過ぎてしまった。
火曜日。最後のランチボックスでは英語の会話を理解することができていて、自分でも驚いた。
「今までに3回もカンガルーが車にぶつかってきたんだ」
「えっ、そんなによくあることなの?」
《せっかくここまで会話を広げられるようになったのだから、まだ日本に帰りたくない。》
頭の中ではわかっていても、今度は日本に帰るという実感がまったくなかった。それでも、フェアウェルパーティーで最後に歌った「チェリー」では、そんなつもりはなかったのに涙がこぼれていた。
「いつかまたこの場所で、君とめぐり会いたい」

いつかまた会えるのだろうか。また来られるのだろうか。10日間も一緒に暮らして、あんなに近かった存在。それがまた急に遠くなってしまったようで悲しかった。
最後に、1日目と同じ海へ行き、アイスを食べた。あんなにキョロキョロしていたのがうそのように、すっかり見慣れた町並み。私と同じ名前で呼ばれているとバディの妹が教えてくれたこの海をまた見られる日は来るだろうか。そんなことを考えているうちに、次の日の朝、別れのときが来てしまった。
「9月に日本に行くからすぐ会えるよ」
そう言われても、涙はどんどん出てきた。バスが出て、バディの姿がもう見えなくても手をふった。
すごく長いと思っていた10日間。こんなに早く過ぎてしまうとは思わなかった。その短い間に何を経験しただろう。何を得ることができただろう。考えてみれば、とても10日間ではできないほどの新しい発見、出来事があった。
バディとの関係は終わったわけではない。まだ始まったばかり。これからもメールや手紙を通して関わっていける。

もっと話を理解したい。
もっと色々伝えたい。

大切なこの気持ちができた。少しは聞きとれるようになった。せっかくのこの英語を伸ばすきっかけを、もっと好きになるチャンスを無駄にはしない。